2021.11.16(火)治療プログラム
これまでのミーティングでは、飲酒という行為の背後にある感情(不安・喪失感・虚無感・無力感etc.)とじっくり向き合っていくことの大切さについて話されてきました。今回はそうした感情を解消していくテクニックの一つとして、EFT(Emotional Freedom Technique)を皆さんと一緒に実践しました。EFTとは、解決したい問題をイメージしながら鍼灸の経絡(いわゆるツボ)を指でタッピング(トントンと刺激)することで、ネガティブな感情が軽減されていくというものです。参加者の皆さんからは、「気持ちが軽くなった」などの声が聞かれました。ちなみに私は、何でも周囲と比較してしまいがちなのが自分の問題点だと感じています。そんなことをしてもしょうがないと頭では分かっていても、自分と相手を比較して不足感や無力感に苛まれてしまうのです。そこでツボをタッピングしながら、「自分に対する無力感や不足感」があるけれども、「私は私を深く愛し受け入れます」というフレーズを心の中で唱えていると、不思議と気持ちが楽になるというか、心が軽くなるような、温かくなるような感覚がありました。
アルコールの問題は、生活環境や生活習慣、思考の習慣、ビリーフなど、長年の様々な要因が影響しているため、タッピングだけですべてが解決するわけではないですが、お薬を飲んだり手術をすれば完治するというものでもありません。アルコールについて学んだり、瞑想やタッピングで自分自身を真剣に見つめ直すなど、さまざまなアプローチが必要です。そうしたアプローチができるのも、精神科ならではだと改めて感じました。
今後もアルコール依存症についての学習を続けつつ、メンバーひとりひとりの「感情」に寄り添い、サポートさせていただきたいと思います。
近頃は、すっかり寒くなりましたね。体温調節・うがい・手洗いをしっかりおこなって、風邪などひかずに元気にいきましょう!